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2025/08/18 農耕便り

穂海農耕便り(2025年 夏号)

今年も梅雨入りから暑さが厳しい日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。
まだ6月なのに最高気温が30度を超える地域もあり、気候変動の影響を感じずにはいられません。梅雨入り後、雨が降るかと思いきや、比較的穏やかな天候が続き、今度は雨の心配をしてしまう次第です。稲の生育ではこれから水が必要な時期になってきますので、水不足などの心配はしたくないものですね。

この春は比較的安定した天気の下、約一カ月続いた田植えも、無事に計画通り終わりを迎えることができました。毎年恒例の小学校の田植え体験も大変盛り上がり、後日、生徒の皆さんと一緒に生育調査の学習も行いました。稲の茎数を数えるのはとても難しいのですが、しっかりと理解して数えている生徒さんもいて、とても頼もしく思いました(日本有数のお米地帯に住んでいると、そういう能力も備わるのかな?)。

 6月は梅雨の合間をぬって大麦の収穫を行いました。今年は10haを作付けましたが、収量は昨年を上回るものとなりました。少しずつ生産も安定してきたみたいです。これらの大麦は地元のクラフトウイスキー醸造所へと出荷されます。大麦の収穫後にはWCS(稲発酵飼料)を栽培します。雪の多いここ上越では二毛作はなかなか難しいのですが、このように大麦とWCSを二毛作して、一層の土地の有効活用に挑戦しています。


 
ここ数か月、米のニュースが報道されない日はないほどに米(米価)は注目されています。やはり、米は日本の主食なんですね。米価暴騰の原因の根本は需給バランスの逼迫です。人口減少、高齢化、食の多様化により米の需要は減少を続けていますが(30年間で約30%減少!)、「それ以上に供給が減少している」のです。つまり、生産者の高齢化や離農により作付面積の減少が加速度的に進んでいる、これが原因です。これらは普段は物事の裏で静かに進むので気づかないのですが、今回「米価暴騰」という形で日常生活を脅かすものとして姿を現した、ということだと思います。

そんな中、私たちには日本の主食・米の供給能力回復に向けたあらゆる努力が求められています。より環境耐性の高い品種の追求、新しい栽培技術の追求、より効率的な生産体制の追求、従業員の成長支援、人材・農機・設備への積極的投資などの挑戦を通じて、私たち自身が持続的な成長を実現し、地域の農地を引継いでいきたいと思います。同時に、農場経営支援を行っている㈱穂海耕研を通じて、全国で持続的経営に向けた挑戦を続ける全国の米生産者の力になりたいと思います。

 私たちの仕事は、地域の皆さまのご理解とご支援があってこそ成り立つものです。これからも、安心して食べられる米を皆さまに届け続けることができるよう、鋭意努めてまいります。